自分自身がシックハウス症候群の持ち主であることは、シックハウスになってみてからでないと自分自身でも分らなかった。軽度のシックハウス症状を何度か経験するうちにもしかしたら、、、と認識しだした私ですが、それでも得体の知れない重篤な症状になっても、それがシックハウスから引き起こされていることに気づくまでには多くの時間を要してしまいました。その経験をお話ししてみたいと思います。
子どもの頃からナイロン系の下着を着用すると必ずや皮膚に異変が起こり、綿製品を好んで使用致しました。必然的に子どもの頃からナチュラル思考であるとともに本物志向という言葉が好きでした。その言葉の裏にはナイロンやプラスチックなど自分自身をアレルゲンから守るとする心理が働いていたのかもしれません。病院から処方される薬に対しても懐疑的にとらえてしまいます。なぜなら、頭痛薬を飲んだことにより頭をハンマーで打ち割りたくなるような激しい頭痛に襲われた経験を持ちます。救急車で入院、もう死ぬかと思った!小さな異変を何度も経験することにより自分自身が化学製品や、薬品に弱いことを薄々知ることになります。
●ペンキによるシックハウス
英国では2〜3年に1度くらいの割合で室内のペンキをリニューアルします。英国には歴史ある家が多いですが、彼らは家のどこかをいつもリニューアルしているからこそ何百年もの歴史を重ねることの出来る家に住むことが出来ているんです。オーナーから何度も室内ペンキ塗装のお願いが来ました。通常であるならば借りているお部屋をオーナーがきれいにしてくれるのですからありがたいことなのですが、私はシックハウス症候群を持っているからと都度お断りしていたのですが、最後には断りきることが出来ず、日本へ帰国する間に作業を行い、1ヶ月は間を置き、帰国後も半年間はその部屋を使用せず、入ることも無くの計画で受け入れました。日本から英国の自宅に帰り1週間が過ぎた頃から私の体に異変が現れました。頭が痛い、もうろうとする、鼻の粘膜が気持ち悪い、目が後ろに引っ張られる、、、それでも、アレルゲンのある部屋への出入りはしていませんので、ペンキが原因とは知らず、一生懸命、それは一生懸命気力でこの窮地を乗り越えようと頑張ったのですが、一ヶ月が経ち、二ヶ月が経ち、三ヶ月に入った頃には立ち上がることも出来ない体になってしまいました。ただ、横たわりボーと時を過ごし、心の中では自殺願望とのバトルにヘトヘト状態です。あの時には「私は間違いなく死ぬ。」と真剣に思い確信さえ持ってしまいました。この時点ではまだシックハウスが原因と自分自身では気が付いてなかったんです。どうせこのまま人生が終わってしまうのならと、ポルトガルへリゾートに出かけ、贅沢なリゾートライフを一週間過ごし、日本へ帰国。徐々に良くなり、半年後くらいからは通常の生活が出来るようになりました。あのままの状態であの部屋に住み続けたならどうなっていたかと背筋が寒くなります。
●防蟻処理剤による事故(シックハウス)
リフォームを行うにあたり、自分自身がシックハウス症候群を持っていることから建築業者が面倒になってしまうような内容を多々伝えなければなりません。シックハウスで経験んしたこと、だからこそ、金額的には少々高額になるけれど、これらの建材を選んでいること、作業員さんに我が家の敷地内では禁煙でお願いしたいことなど、うるさい人だと思われるほど何度も何度も念押しで伝えていたにもかかわらず、私には何も伝えられないまま、見積もりにも載っていないにも拘らず、リフォームであり、作業現場と住空間が同一居住空間内であるにも関わらず、たっぷりの防蟻処理剤を塗布。まず、激しい喘息が3ヶ月続きました。
念押しでシックハウスであることを伝えていますので、大工さんが塗布しているものが「トノコ」だと思ってしまった私です。それでも「それは何?」「どうしても使う必要があるの?」という私からの問いに「これはフォースターだから大丈夫であり、どうしても塗らなければいけないものである。」との回答。調べてみれば、フォースターの認定商品ではありませんでした。それでも気になったので、工務店の社長さんに「これってどうしても塗らなくちゃ駄目ですか?」さらに聞いてみると「建築基準法で決められていますのでどうしても塗らなくちゃいけないものなんです。」と、聞き入れてくれない。建築基準法を調べてみたが回答内容は間違っている。。。「さらに建築基準法ではどうしてもとは無かったですよ。」と聞いてみた。すると「住宅金融公庫に書類を提出するのに材木協会や防蟻処理協会から出ている認定番号が必要なんです。だから、どうしても塗らなければいけないものなんです。」我が家のリフォームは住宅金融公庫からお金を借りてない、、、、と思いつつ、これらに関しても全て調べてみました。どれもこれも回答内容は間違いだらけ、木材協会にも防蟻処理協会にも認定されていない薬剤であることも判明。
最初の大工さんの作業ミスと土壁を取り入れたことから、通常の作業期間の3倍ほどの作業日程となり、防蟻処理剤が住空間にありながら5ヶ月が経過してしまった。特に木工事中は作業現場に小出しにされた防蟻処理剤が缶に入ったまま蓋がされることも無く作業終了後も放置。大工さんに蓋をしてくれるよう新聞や広告をかけて置くのですが、帰られるときはいつも放置状態。私は同じ住空間の中で新鮮な防蟻処理剤が50cmも離れていない場所にありながら、TVを見たり、昼寝をしたり、仕事をしたり、日常生活を送っていたことになります。
喘息の次にやって来たのが、激しい喉(気道)のただれ、傾眠、手先のしびれ、、、
怪獣になったがごとくフーと息を吹けば火が飛び出しそうな状態、リンパは腫れ、食事中に眠ってしまう幼児のように病的な眠さで車の運転が出来なくなりました。階段を上ることもつらく、手先のしびれにまでに至った頃は、家族全員が異常を訴え始めました。
建築業者のあまりにも初歩的なミスです。通常では考えられない!こんなことがあって良いのだろうかとも思う。
アレルゲンの元である防蟻処理剤が大量に塗布された柱の入れ替えによって徐々に症状は改善されてきました。
工務店に下記の質問を行いました。
Q:あれほどまでにシックハウスであることを申し上げたのにどうして施工主に何も伝えず防蟻処理剤を使用したのですか?
A:防蟻処理剤がシックハウスになると思わなかった。
Q:作業途中に質問した内容の回答が全て間違っていたことに関してはいかがでしょう?
A:全く持って、我々の知識のなさです。
Q:防蟻処理剤を使用する前に 使用に当たっての注意事項は読んでいますか?
使用方法は読んでいますか?
A:読んでいません。みんなが使っているからうちでも使いました。
工事が長引いたこと、防蟻処理剤の管理に問題があったこと、規定の高さより高い位置まで塗布してあったこと、構造上通常の倍の柱が使用されていたことは結局のところ大量の防蟻処理剤が塗布されたことになります。二重塗りを行ってはいけない薬剤であるのも関わらず二重塗りを行った。7月、8月。9月の工事であり、炎天下の高温多湿が甚だしいかったこと、土壁作業事により揮発を何度も繰り返したことなどから、通常ではあり得ないほどの薬品成分が 室内空間に濃厚に充満してしまったことと思われます。それも長期間。
工務店側が建築に使用される薬品に対して危険認識を全く持ってない。これは驚くべき事態です。今回はシックハウス症候群を持っていない家族まで全員病に苦しまなければなりませんでした。工務店側にシックハウスとは一体なんなのかの認識も全くない。各工務店によって、これらの認識度に違いがあっても、せめて危険な薬品を使用するにあたり、使用説明書、使用上の注意は読んでから作業に当たってほしい。
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