1910年代のチェストです。
よこ:85.5cm
たて:78cm天板までの高さ
(上部後ろの立て板の高さ5.8cmを含めた高さは83.8cm)
奥行き:48.5cm
このチェストの中には1952年2月7日のTHE
TIMESが大切に保管されていました。この日はキング・ジョージY世が死去した日であり、次の女王となるエリザベスU世の若かりし頃の写真も掲載されています。第二次世界大戦後の日本の力をどうするかなど、戦争処理についての記事も載っている。英国の通貨単位が現在のペンスよりも小さいSDになっているのも興味深いです。オースティンの乗用車は£467!!(9万円)
このチェストが大切に使用されていたことは、引き出しの底に敷かれていたものによっても良くわかります。
上の引き出しには綿のピローケースが引き出しの大きさにアイロンをかけた状態で敷かれておりました。
下の引き出しには、ハッピーバースデーのラッピングペーパーが購入されたままの大きさで引き出しの大きさに合わせて丁寧に折りたたまれておりました。そのラッピングペーパーの下に大事そうに入っていたのが1952年2月7日のTHE
TIMESの新聞だったのです。この様子からも分かるようにこのチェストは大切に丁寧に使用されていたことが分かります。
家具は生きもの、使用する人の心が反映されます。それは状態が良いか悪いかの傷み具合だけでなく、心の反映もあると思います。家具に思いやりを込めて接していれば、その家具は幸せにそのご家庭で過ごし、家具の心も素直に存在するものと思います。
人によっては前に使用していた人の念の影響で、古い家具は気持ち悪いとおっしゃる方もいらっしゃいます。
家具はその状態を見ることによって、その家具がどんな心持で今日まで過ごしてきたかが分かります。
できれば、再生が必要になってしまったような家具ではなく、幸せに使い込まれた家具を我が家に招き入れたいものです。
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