長着寸法との違い
形が誤魔化せない分、対丈のきものは長着よりも寸法が大切となります。
着丈
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身長×83/100+α
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コートなどと違い、腰紐を締めますので、着丈よりも10cmほど長めにします。
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袖付け
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3〜4cm増
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帯が下なので身八ツ口が開いてしまう。
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袖丈
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減
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短い方がバランスが良い。好みで。
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身八ツ口
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減
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帯の下から見えないように、袖付けを長くした分だけ。
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歴史
平安時代
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女子の晴装束であった唐衣装装束(別名・女房装束・俗名十二単)の下着
(唐衣ー裳ー表着ー打衣ー袿(五衣)−単ー袴ー小袖)であったものです。
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鎌倉時代
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衣袴(唐衣や裳が省かれる)となり、小袖は表面化してきます。
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室町時代
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腰巻姿(表着の上につけた小袖の上半身を脱ぎ、腰に巻きつけたような格好にした着装方で後は付け帯に脱いだ腰巻の袖をかける。)となり、小袖文化のさきがけの時代でもあった。
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安土桃山時代
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支配階級も庶民も共通に小袖を着、小袖が中心服飾となりました。
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江戸時代
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町人文化が花を咲かせ、振袖も町方が生んだ華麗なファッションと言えます、
こうして、現代のきもの形態は、この時代に完成されました。
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時代背景
安土桃山時代は長い戦国時代も終わり、西洋文化と伝統的なわが国との文化が相まって独特な文化流行が見られるとともに、女性も人間として、伸び伸びと生きられた時代と言えよう。ゆえにラフな小袖が服飾の中心となったとも言えます。
小袖のはつらつとした健康美であり、自由な意識の象徴に対し、
江戸時代の徳川幕府は身分制度でがんじがらめにされ、封建社会であり、鎖国時代の中におかれ、男の都合によって運命を定められた女性の服飾は太い帯で胸を締め付けられ、バランス上、袖の長いきもの姿が生まれました。
なよなよとした女性美の賞賛はここから来ているのではないかと思わされます。
歴史の流れの中に意味のある服装
男性:働く、機械的、早く着る、対丈
女性:家、優雅、時間をかけて着る、おはしょりや振袖
対丈のきものは男性のように行動的で便利性においては長着に勝ります。
用途
パーティー着、外出着、家庭着
着方
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衣紋:殆ど抜かない
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衿:縦長(色半衿、ししゅう半衿のおしゃれを導入してみましょう。)
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腰紐を締める時に肩を上げ気味にして締めると帯より上の胸元はゆったりと下の裾はすっきりと着崩れが少なくなります。
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帯の位置:腰の位置で前は上目で後ろは下目にすると着崩れが少ない。
着こなしポイント
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姿勢を良くしていないと、胸が広がってきてしまいがちになります。
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すっきりとした対丈のきものには細帯が似合うでしょうし、半幅帯よりもボリュームのある細帯の方がおしゃれっぽくなるでしょう。
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草履の鼻緒を太めにするのも時代性が反映されおしゃれですね。
リフォームについて
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背の低い方なら羽尺でもできます。
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着丈の短い着物であっても、裾を切って利用
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裾汚れのある長着を裾を切って利用する。
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