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UKインデペンデントスクールの教育

Petiteへようこそ!

一長一短はあるものの、UKインデペンデントスクールは理想の教育に近いものがあると思っています。
これからも、母の視点から具体的にインデペンデントスクールの教育の現場を日本の皆様にお伝えして行きたいと思います。
「UKインデペンデントスクールの教育」と題して、ここにご紹介させていただきます。
その他、「学校を考えよう」でもUKインデペンデントスクールの記事があります。
ご覧下さいませ。

Petite Mum 

◆ 目次 ◆

一人暮らし
貧乏は恥ずかしいことじゃないのよ(留学費用について)別ページリンク
子供達に資本主義システムを教えよう
学校のセキュリティー
親の一言
イタリアへの旅
テストの様子
PSHE (Personal social and health education)
イマジナリーフレンド
英国留学から見つけようとしている教育のあり方? 
乗馬と湯たんぽ
制服
英国の試験の様子
英国の学校のスポーツから見えるもの
現実社会の経済に直結している図工の授業
言葉ーSwear word (不敬なことば, ののしり)
学校と企業
サッチャー政権下の教育改革
親が選べる教育の自由
自己管理能力
宿題
何故にて引越し!

 

◆一人暮らし

満16歳から娘は英国で一人暮らしをはじめた。家庭の事情とはいえ親としてもドキドキハラハラである。16歳から一人暮らしをはじめるに当たり弁護士にも相談。この年齢で就職する人もいるのですから一人で暮らすことに問題はありませんが、何らかの問題が生じた場合にはカウンシルから親に注意があることになるでしょうとのこと。カウンシルタックスも学生の一人暮らしとなり、無料となる。ここまでは順調に進みました。しかしながら学校にこのことを申し出ることを躊躇してました。隠しておくことが出来ない状況となりこの事実を学校側が知ることになる。我家としてはボーディングの学生になることを勧められるのは困ると思っていた。通いの学生の授業料と全寮制の学生の授業料とでは大きな金額の違いがある。我家にはその差額分の支払い能力がない。。。
娘自身、経済的なこと以外にも寮での生活より自宅から通うことを望んでいた。
担任から寮に入るようお話があった。その時に我家のバックヤードを察してか「お金がかからないようにお願いしてみるね。」と娘に話したらしい。娘としてはお金がかからなくとも寮には入りたくないと言う希望がありましたので、経済的理由で自宅から通う手段を無くしてしまった様でこの申し出は余りありがたくなかったらしい。親としては16歳の子どもが自炊で受験体制に入っていることを危惧しましたが娘の選択に任せました。寮に入ることを拒絶している心が学校側にも見え隠れする中で学校側の対応は素晴らしいものでした。学年トップから寮に入るよう直接お話があった。この時に経済的な心配は無いから寮に入りなさいとのことであったらしい。寮のハウスミストレスからもMailやお声賭け、レターまでも頂戴した。自宅までハウスミストレスが迎えに来てくださるという。寮のお部屋も一番大きなお部屋が与えられた。夜は寮に帰って欲しいがお昼は今までと同じようにデイのハウスで取っても良いと、お友達関係にも支障が生じないような特別配慮も提示していただいた。学校側のアプローチがある中、2ヶ月の月日を費やして娘の心を納得させた上で寮に入ることになった。それでも、自宅と寮と学校を自由に行き来できる体制である。寮費を支払っていない生徒に対して至れり尽くせりの最善を尽くしてくださる学校に頭が下がりっぱなしです。
いざ寮に入ってみると快適な生活に満足の様子で、新しい寮のお友達とも上手くいっている。娘としてはおっかなびっくりの寮生活だったと思うのですが、食事のお買い物をしなくとも、料理をしなくとも、美味しいご飯にありつけることに満足し、寮の狭いお部屋に何もかもが揃っていることにも満足したらしく、学校側の配慮により、大変快適な生活が出来たようです。

卒業時にもハウスミストレスが寮で使用していた荷物を積んで、寮から3分の我家まで車で送ってくださいました。
大学受験も親が何も関与しないところで完了し、卒業式前の休暇にはお友達にご招待されプール付きの別荘(スペイン・マヨルカ島)で過ごし、娘一人で10年間過ごした英国の家の引越しを行い、親も行かない卒業式を楽しく過ごし、日本へ一時帰国しました。
9月からは英国で大学生活が始まります。

学校は授業料の免除を受けている生徒に対しても、生徒の心に無理をさせず、見守りと導きを上手に行ってくれました。私たち親子がこの学校を選んでいなかったならば、今の私たちは無かっただろうと思います。娘を育ててくださったこの学校に心より感謝すると共にいつかは恩返しが出来るような私たちになれるよう全力で生きたいと思っています。

2008年8月23日

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子供達に資本主義システムを教えよう

娘に相談を持ちかけられました。「株を買うんだけど、いくらくらい、何処の株を買おうかなー?」母である私はとっさに思いました。。。ネオペットなるPCの中のゲームにも株の売り買いがあったな!と。。。しかし、株購入上限がひとつの会社につき£10までという。、、、ふんふん、、、ふむふむ、、、、、どうやら本物のお金が動くらしい。
英国インデペンデントスクールの教育は机の上の空論ではなく、実際に子供達が身を持って体験できる場が多くある学習をします。その中のひとつをお知らせします。特にエコノミックス(経済)を専攻している生徒が中心に行われるプログラムです。生徒数900人近いこの学校の中にシックスフォームの生徒が会社を作ります。今年は3つの会社が作られているようです。娘は経済を専攻していないので詳しい内容は分からないのですが、本格的な会社です。まず、資本金集めからはじめるのですが、それが株であったり、気軽に仕入れて気軽に売れる商品であったりとさまざまのようです。自分達の会社を宣伝し、株を買ってもらう。しかしながら、株が多く売れてしまうと配当が悪くなるからとの考えもあり、売ることにも試行錯誤があるようです。商品開発も行われ、子供達が考案した商品が販売されることになります。外部に製造を依頼する商材、自分達が多少手を加える商材、さまざまなものが販売されます。こうして外部の会社とのやり取りが発生しますが、生徒が契約から交渉までを行う生徒運営の会社です。会社として本格的に動くことになります。
今年は何をメインとする内容の会社なのか、まだ、分からない段階ですが、資本主義システムを子供達のお小遣い程度のお金で実際に体験できる教育システムは素晴らしいと思います。このシステムは娘が在籍する学校だけのものではありません。英国そしてヨーロッパにあるボランティア組織のひとつです。その名は「ヤングエンタープライズ」。
http://www.young-enterprise.org.uk/pub/home.do
ティーンエイジャーがビジネスマネジメントを学習できるよう、大企業などがサポートしているボランティア組織が基盤にあります。1963年チャリティー団体のひとつとして始められました。詳しくは上記、ヤングエンタープライズのHPからご覧ください。子供達が資本主義社会の中で自分自身が、どのようなポジションにあるのか、経済社会の成り立ちを経験することはとても大切であると思います。現在の日本にもこのようなシステムと学習の場はあるのでしょうか?

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学校のセキュリティー

英国の学校の古き歴史漂う立派な門前に立ちはだかるはどこのマフィア?強面のがっしりとした体格の男性が二人立っている。。。しかし、ここは娘がお世話になっている英国インデペンデントスクールアッパーカレッジの学生専用の出入り口のドアの前。歴史漂う立派な建物、そして歴史を感じるドア、そこを出入りしているのは女子学生。英国では見慣れた光景かも知れませんが、旅行者がこの光景を見たら、頭を傾げるであろうと思います。この学校に娘を通わせている日本人の私でさえ、最初の頃は違和感一杯でした。
英国では今から10年ほど?前であったでしょうか?学校内で乱射事件があったとかで、以後構内の警備が厳しくなりました。設備面でも各建物の出入り口にはオートロックシステムが完備され、生徒には暗証番号が知らされます。この暗証番号も安全のために良く変更になりますから、生徒は自分が出入りするドアの暗証番号をいくつか、つど覚えなくてはなりません。生徒の出入りが多い、朝と夕方は強面の警備員が門前に立ち、構内に他者が入り込めないように見張ります。たとえ生徒の父兄であっても、面会する先生に予約を入れ、受付で名前を記入し、入校許可の札を渡され、その許可証を付けて校内に入ります。厳重なセキュリティーシステムの上に学校があります。
日本ではお父さんが学校行事に出向く時に必ず持っているのが、カメラもしくはビデオではないかと思いますが、英国でカメラを学校に持ってきて撮影している父兄の姿を見ることは殆どありません。これもマナーです。どんなマナーかと言えば、やはり生徒を守るためのマナーであります。学校創立150周年記念の行事にエリザベス女王様ご夫妻がいらっしゃいました。この時には学校の警備の上に女王様の警備が重ねられ、屋根の上まで警備の目が行きました。報道カメラマンも校内に入った訳ですが、このカメラマンには学校のスタッフが付きっ切りです。それは何故か、、、、バックグランドであってもなんであっても、カメラの中に写ってはいけない生徒と写しても大丈夫な生徒を判断するためです。生徒の中にはご両親様の立場やご職業から警備上公にできない生徒がいるからに他なりません。単にご両親の希望で撮影拒否も出来ます。各家庭に写真に写っても良いかどうかのフォームが来ていました。

日本では通学途中に小学校低学年の生徒が狙われる事件が多発しています。学校内の警備だけでは防げるものではない場所での事件です。私の小学校時代も娘が日本で過ごした小学校低学年時もそうであったように、小学校1年生の年齢から一人で出歩くことが容認されている日本です。通学も小学校から保護者の保護が無くなることが一般的です。英国では13歳になるまでは子どもだけの外出が許されていない国です。勿論、通学にも親が付き添います。たとえ13歳になっていてもひとりでの外出は学校側はさせません。英国インデペンデントスクールで通いの学生の殆どの場合、中学校卒業まで通学は親が付き添います。ボディング(寮)の学生であっても、メインスクールで作業があり暗くなってからハウス(寮)に帰ることになる場合、歩いて7分の距離でもバスをチャーターするんです。日本でも通いの学生であれば、朝学校の門を入るまで、帰りは学校の門を出たところから子どもを守るのは親がなすべきだと思います。多くの生徒がそれぞれ違う場所にある家庭に帰るまで学校の限られたスタッフでそれぞれの生徒を守れるはずがありません。これだけの事件が連続して起きても各家庭が子どもの送り迎えをせず、地域にぐるみでの安全対策に頼るのかが理解できないのは私だけでしょうか?仕事があるから学校への送り迎えが出来ない?とおっしゃるのでしょうか?子どもの送り迎えをすることによって仕事が無くなり、生活に困ることになるのでしょうか?だとしたら、子どもの安全対策は親達の雇用対策からなすべきであると思わずにはいられません。

英国では強面の門番が活躍する場面が他にもあります。ディスコやバーなどにも強面の門番が立ちます。ここでの彼らのお役目は入店者がお酒を飲んでも良い年齢に達しているかどうかのチェックが主な仕事です。お酒が出るお店に入店するためにはIDカードの提示が求められるので、年齢に達している人でもパスポートや学生証などを持参しなければなりません。このあたり日本は緩いですね。居酒屋にお酒を飲んではいけない年齢あきらかな幼稚園生や小学生もお父さん、お母さんと一緒に入店してますね?

子ども達の安全を守るために子どもひとりでの外出に法的規制をかけることも一手段だと思います。そこから親としての責務が果たせるよう雇用問題でも子どもの安全を守れるよう親に時間が与えられるべきです。ドイツでも子どものいる家庭の女性の雇用は守られていました。学校の送り迎えが出来るような勤務体制になっていました。私がこのことを知ったのは今から十数年前でした。補助金で産めや増やせやと褒賞するよりも、育てやすい環境整備をまず先に行って欲しいですね。子どもの安全は最高責任者である親が行うべきであることは誰もが分かっている。けれど、そうできない問題が日本にはあるのではないかと思います。

2006年05月22日

追記

英国インデペンデントスクールには教職員の他に各ハウス(寮)やメインスクールにクックさん(厨房で働く人)、クリーナーさん(お掃除の人)、ガーデナーさん(庭師さん)、ポーターさん(机や椅子などを運ぶ)、ロリポップおじさん(横断歩道に立つ人)が居ます。英国は制服の国と言われますが、彼らは学校の名前が胸に刺繍で入った制服を着ています。クックさんは白と黒の格子柄、クリーナーさんはピンクと白、または紫と白のストライプ、ガーデナーさんは紺色の上下、ポーターさんは白いシャツと黒いズボン、ロリポップおじさんはガーデナーさん達と同じ服装の上に黄色の蛍光色の上着を着ています。メインスクール周辺に13のハウス(寮)があり、全生徒数800人から900人が居る。教職員を入れると1000人前後の人が出入りする学校で学校関係者か外部の人間かを判断するためには制服の導入がどうしても必要になる。航空会社の制服問題もしかりですが、英国の学校もセキュリティーの一旦として制服が活躍しています。

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親の一言

「どーしてテストなんかあるのー」「テストやだよー」とクラス全員でぶーたれていると、「先生だって採点で忙しいんだよ。」と、、、「じゃーどうしてこんなテストするのー」
この時点では生徒も先生もテストは嬉しくないらしいことが分かる。
GCSE試験のある学年の生徒はコースワークで大忙しです。その上に何ゆえこのテストをする必要があるのか?あまりにもハードな学園生活であることは娘の様子からも良く分かる。こうなると能力勝負だけでなく、英国のパブルックスクールは体力勝負のところも大きい。
先生の次の発言で全員が静かになった。
「一人の生徒の親がこの学期末の成績を出すのにテストをした方がいいと言う意見を学校に出したらしい。それから、テストをするようになったんだよ。」
この意見の裏側には、我が子の成績や評価を公正に出して欲しい。先生の主観で決められては困る。成績の根拠となるテストをすべきだ。こんなところだろうと思う。きっと学校側が出した我が娘の評価に納得できない親からの意見だと思います。
英国のパブリックスクールは親の意見が実に重要視される。
そのいくつかをお知らせしましょう。
○各教科、1学期ごとに成績順にクラス分けがされます。一人の生徒はサイエンスでひとつクラスが下がりました。それに納得できない親が学校側に交渉の結果、生徒はすぐにもとのクラスに戻されました。クラスを落とすことによって再度自分自身のパワーを出そうと頑張る子、クラスを落とされたことによって、何もかも投げやりになって更に悪い方向に行ってしまう子。この生徒は後者の理由によりクラスが戻され、学校としては様子を見ることになったと思われます。もしかすると、隠れたところに親のメンツなどがあったかもしれません。
○双子の生徒の場合、どちらかが何らかのメンバーに選ばれたとします。すると双子のもう一人もそのメンバーに入ることが良くあります。家庭での子育てにおいて、同じような条件がないと不都合があるなどの交渉を学校側に親が申し出ることも可能です。
打てば響くかのごとく、親の一言が子どもの学校生活に大きな影響をもたらします。何でもかんでも申し出れば自分のわがままが通る訳ではなく、納得させる理由がある以上、親の意見は、子どもの最高責任者としての意見として取り入れられます。
しかしながら、子どもたちの間ではアンフェアーなことが充分理解できるけれど、誰も文句を言いません。誰にでも正当な理由があること、相手を尊重する(理解する・認める)マナーがあるからです。

2005年11月11日

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イタリアへの旅

夏休みに入ったと同時に私は英国一人暮らしが始まった。と言っても約一週間ですが。。。念願かなって学校の聖歌隊の一軍に入れた娘はイタリアへ歌う旅に出かけてしまった。この旅に参加するためのペーパーにサインをした覚えはある。また、小切手で旅費の支払いもしたし、お小遣いのお金を両替に行ったのも母である私ですが、その他のこまごまとした準備は娘がやってしまい、旅立つ娘のお世話の必要がなくなってしまった。親としてよかったなと思うと共に非常に寂しい!本日はサンマルコ寺院でのコンサートに参加しているはず。昼間にリハーサルで夜9時頃からのコンサートですからホテルに帰る時間は夜11時過ぎ。英国の学校は学校生活の中でもシアターに行く場合など、帰りが夜中12時近くなることもあり、時と場合によっては大らかな時間の使い方をする。どうして私が娘の日程を追うことが出来るのか、、、娘が出かける前に日程表と緊急時の連絡先などの詳細を渡してくれた。そして、それらは日本語訳が全て付けられていたんです。私が経済的管理を行ってはいるけれど、その他は娘がおかあちゃんになってるなーと思うと、、、嬉しいよりも寂しいなーと感じてしまう。人間は誰かに頼られながら生きてゆくのが心地よい生き物ではないだろうか?頼られなくなると一人ぼっちの自分が見えてしまい立ってる事(生きること)もしんどくなる。石ノ上にも6年の英国生活におかあちゃんはそろそろ終止符を打たねばならない時期にきているのかな?
後3年後には娘は大学生になるのですから!

英国は5歳から義務教育が始まり、私立の場合、一般的に高校2年間、大学3年間です。よって、日本からの学生で英国で学年を落とすことなく同じ年齢の学年に居る場合、日本の学生よりも2年早く大学生活が終了することになる。

2005年07月11日

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テストのの様子

6月上旬の今は英国の最高の季節。太陽との距離もほんの少し近くなって暖かさ、時には暑さを感じられる季節になりました。公園の芝生の上はくつろぐ人たちで賑わいます。4月下旬から7月上旬のサマーターム(夏の学期)は野外活動も多く楽しい学校生活です。しかし、只今年間で一番大きなテストの真っ最中、A2、As、GCSEに加え各学年のテストが行われています。子どもたちがこの季節を最高にエンジョイできるのはテストが終了する6月下旬からになってしまいますね。
テストは普段宿題を行う大きなホールで実施されます。テストが始まるまで教室には入れません。時間になるまで廊下で待ちます。筆入れは透明の筆入れ以外は許可されません。テストの監視役となるのはテストの内容とは違う教科の先生が立ち会います。算数のテストなら歴史の先生が監視役になると言ったようにです。テストと同じ教科の先生であった場合、ついつい教えてしまうなどの危険を防ぐためのようです。テストの評価はそのままその教科を教える先生の評価にも通じるところがありますから、子ども達のカンニングを防ぐだけでなく、先生の不正も防ぐシステムですね。そして、監視役になった先生はテストの間中忙しく動き回ることになります。「先生!お水をいただけますか?」と生徒が声を上げると先生は冷たいお水をコップに入れて運んで来ます。女子校において若い男性の先生は特に大変です。テスト終了後、この先生からは「お前たち、、本当はお水なんか飲みたくなかったんだろう。。。」この後に続く言葉は、ボクのことをパニックにさせて喜んでるな!人数の多い女子校に若い男性の先生が勤務するのはそれなりの覚悟が必要そうです。しかし、先生も生徒も大変よい雰囲気です。お水だけではありません。風邪を引いている生徒は「先生!ティッシュ下さい。」もOKです。3時間以上続くテストの場合はチョコレートなどのスナックが出たりもします。通常、ランチの他に午前と午後にお茶の時間があり、お天気がよければ芝生のお庭にお茶やクッキー、ドーナツなどのスナックが用意されます。3時間以上のテストになりますと必ずこのお茶の時間に行けなくなるため、テスト中の生徒にはお菓子が配られる訳です。

娘がこの学校の入学試験を受けに来たときにもジュースとケーキがテストペーパーと一緒に用意されました!

2005年06月10日

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PSHE (Personal social and health education)

学校で少しでも感動したことや珍しいことがあると母の私に黙ってられない性格の娘。このような時、真面目に話を聞いてない母の姿を見つけるやいなや、娘は母親に早代わりしてしまう。母が気をそらしてしまうのがPCであったなら、PCを閉じ、母の顔を無理やりにでも自分に向け、目と目を合わせて話を聞くことになる。人は誰でも自分の話を真剣に聞いてもらいたいものである。

そして、本日の娘の話は人が経済的に自立して生活するにはいろんなお金が必要になるということのようだ。食費、被服費このあたりは子どもでも日常の生活で理解いる部分です。本日は学校で高熱水費、保険や税金、住宅ローンをはじめとする各種ローンのお話があったらしい。人が暮して行くのには実に多くのお金が必要になることに驚いているらしい。
高熱水費のところでは、先生から何ヶ月にごとに請求書が来るのかの質問に答えられたのが、外国人の自分であったことが本人としては驚きであり、嬉しかった様子。。英国は基本的には三ヶ月に一度請求書が送られてくる。請求書が来たら、メーターを調べ、間違いが無いかどうかを確認する。それと同時に無駄な使い方をしていないか?もしくは水漏れなどの形跡が無いかどうかも判断できる。こんなことを日常行っている我が家は珍しいと言うことですね?
特に税金とローンに関して詳しい説明があったらしく、良いローン、悪いローンの解説があったとか。

毎週土曜日はアカデミックの授業は無く、PSEHとCareers(未来の職業について)の授業が交互に行われている。今回の経済のお話はPSHE(Personal social and health education)の一部の授業です。社会人として生活するために役立つ内容がぎっしりと詰まっているPSEHは母の私でも知らないような高度な授業内容です。人格形成に役立つ内容、健康、性教育、安全、アルコール、麻薬、EUのルール、人間関係など社会人として必要なスキルが入っています。安全では感電したらどうする、火事になったらどうするなど具体的な対処法を指導します。また、大学生になってから一人暮らしになった時に簡単に作れて栄養もきちんと取れる料理レッスンの時間もあります。
娘の寮母さん(ハウスミストレス)はPSHEの中でも麻薬が専門の先生です。性教育に関しても内容は充実そのもの。各授業の目的を的確に子どもたちに伝えることが出来るよう、内容の提供方法など先生方が工夫していることも感じられます。専門分野の先生方がこれらの授業を行っています。
日本の学校はアカデミックばかりに趣きを置いたカリキュラムであり、専門分野の先生も少ない。
しかし、学校の勉強が出来るばかりでは人間は生きて行けません。

英国インデペンデントスクールの良さは、アカデミック、スポーツ、音楽、ドラマ、美術、PSEH、Careersなど、人間として生きてゆく上で必要なありとあらゆる内容が盛り込まれ、各専門分野の内外の先生方から授業をうけられるところにあると思います。

娘はこのPSHEの授業のことを「自分で自分の面倒を見る授業」と言っています!
Careers(未来の職業について)については後ほど。

私が娘に聞いてもらいたいことがある時は往々にして娘の勉強を邪魔することになるらしい。でも、どこかでちゃんと母の話を聞く時間を作ってくれる。。。。

2005年05月24日

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イマジナリーフレンド

娘の話の中にお友達の・・・・さんの小さい頃の本当は居ないお友達が、、、、どうした、こうしたと出てきまして、、、
「幼なじみね?」と娘に聞くと、、そうではないらしく、、
「小さい頃、私は日本に居たから私には居なかったけれど!」との返事。。
英国の小さな子どもたちには架空の心のお友達が居るようです。
そのイマジナリーフレンドは子どものお友達として、家族からも受け入れられています。子ども自身もイマジナリーフレンドを持たない年齢になっても、まるで実際に居たかのように幼なじみ的思い出話の中に出てきます。
日本では一般的でないこの現象に興味を持ってしまいました。

しかし、良く良く考えてみると私も学生時代に、架空の相手にほぼ毎日日記とも手紙とも言えないようなものを書いていました。私の場合は遅れてやってきたイマジナリーフレンドだったのかも??
ペンフレンドを欧米風の名前で呼んでみたり、ぬいぐるみに名前を付けて友達のように過ごしてみたりと、一般的にイマジナリーフレンドが受け入れられていない日本では具体的な何かを通して心の友達(イマジナリーフレンド)を表現しているのではないだろうか?

その昔、人間は動物のように研ぎ澄まされた心で目に見えないものを感じることが出来たようです。物に溢れている現在社会の我々は年齢と共に益々心の世界を無視し、手で触れる現物のものだけを頼りに価値判断をしてしまう傾向がないだろうか?子どもは私たち大人が感じることが出来なくなってしまった、人間が元々持っていた滞在能力を発揮することが出来る存在です。子ども達の研ぎ澄まされた心を大切にしてあげたいですね。

2005年05月22日

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英国留学から見つけようとしている教育のあり方? 

自由民主主義は資本主義であり金権主義とも言えなくはない、、、
共産主義国から資本主義国になった国は貧富の差に苦しんでいる、、、、
理想の自由民主主義、資本主義はとてつもなく難しいことなのかもしれない?
言論の自由と開かれた情報の世界で教育を受けて育ったはずの我々は、自由と背中合わせのようにやってくる自己責任を見てみぬ振りしてきたのではないか?自己責任において国の指導者を選び、日常生活の些細なことにも自己責任が問われるはずの自由民主主義であったはずである。本来自由ほど厳しいものはないのです。我の中に我を統治しなければならない国家があるようなものだ!
しかし、我々親が子どもの時代から自己責任という、裏側にある厳しさを無視したまま、自由と個性という片面だけを自由民主主義の主題とした教育が行われてしまったのではないか。日本では希薄な自己責任を知るために莫大な留学費用を捻出し、英国留学の道を選んでいる家庭も少なくないはずである。本当を知り、強く生き抜いてゆく力を身に付けるために。自由の裏側を無視しながら教育を行った資本主義国家日本、そんな初歩的なことから本当の人間としての価値観を大人たち自身が見失っているのではないか?訳の分からない自由と資本主義が我々を苦しめているのではないか?真の自由と資本主義を見つめ直そう!
毎日のように日本から届くニュースに殺人、自殺、虐待の文字が多すぎる。
まず、大人たちの価値観に幅を持たせ、単一的な価値観の檻から子どもたちを解放してあげなくては更にもがき苦しむ人間たちが狂気の世界を作り出してしまいます。本来自由と責任はワンセットです。自由があるのにどうして単一的な価値観で子育てをしなければならないのか?責任ある子育てをしたくないから?

「お受験(中学校受験)に失敗したら引っ越さなくちゃ!」
あなたのお子さんは犯罪でも犯したのですか?良い子を犯罪者に仕立て上げるような言動は止めていただきたい!あなたのお子さんじゃありませんか。
「私はエリートだったのに娘はこんな学校にしか行けなくて、、、隠れて泣いてるんです。」
育てたのはお母さん自身ですよ。この嘆き悲しみは自分自身への嘆き悲しみですね。
しかし、私が申し上げることはお母様の耳に入らないようでした。
そういう価値観の国に住んでいるのですから、それに従うしかないというお返事が返ってきます。
日本のお母様たちからの子育て相談の中で一番に感じることは親自身がこの檻の中で子どもと接している。。。。子どもの人格形成では成功しているお母様も受験で我が子を評価してしまう。本来優先されるべきは人格、人間性です。その土台の基にプラスアルファーで評価されるべき学校の成績です。

英国留学の道を選んだお父様からのコメントです。
CCFといい、D of E Awardといい、日本の学校教育にも是非このようなものを取り入れて欲しいと思います。フリーターとかニートが話題になっていますが、彼らは学生時代に自信や誇りを持てるような経験をしてきていないのですね、多くの場合。
日本社会は価値観が単線的というか、多様性を認めないところがあって、若い人は既存の価値観の中でもがき苦しんでいるような気がしてなりません。レールから外れることが怖い、こういう社会を作り上げてしまった結果、そこに適応できない子供が沢山でてきている。自分の力で自分のレールを敷ける子供を育ててこなかった弊害もそれに輪をかけています。
教育論を言い出すときりが無いのでやめますが、子供にはラグビーもフルートも寮での共同生活も、
感受性の高い10代にいろいろと経験させてやりたくて英国に送り出しました。受験に必要な科目の勉強に終わることなく、考える力、生きる力を養うために、受験に不必要な科目もアクティビティも積極的にチャレンジさせています。吉とでるか凶とでるか分かりません。今言えることは、本人が毎日を楽しく過ごしている、それで今は十分だ、ということですね。

2005年03月08日

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乗馬と湯たんぽ

んー、、この乗馬の言葉を聞くと、貴族的な素敵な雰囲気を感じていた。
が、、、現実はどんなことでも、しかりですが、素敵どころの話ではない!
しかし、、、広々とした英国の伝統ある乗馬スクールで季節の自然を感じながら、凛々しい馬との関係は背筋が伸び、身の引き締まる体験であることには間違いない。
そして、、我々母娘は娘が素敵を担当、母がパロディー的縁の下の力持ちを担当。
まだまだ、初心者の娘は馬との関係を技術と心の関係で自分自身を磨いている。それはGood!
さてさて、経済的節約を目的にドライバーとなり、乗馬スクールへの送り迎えをする母親はちょっと辛い!英国はガソリンのお高い国です。学校が用意してくれるタクシーで乗馬スクールに向かうと乗馬のレッスン料金よりもタクシー代の方がずっとお高くなってしまう。英国の冬は厳しい、この厳しい寒さの中、車中で娘のレッスンが終了するまで震えながら待っている母。人間はその時々に応じてどうにかしようと思う心が働くものです。ヒーターのためにエンジンつけたままでは節約にならない。そこで、現代でも冬には湯たんぽが大活躍の英国には素敵な湯たんぽが売られています。その湯たんぽを2個と羽毛布団を車に持ち込み、娘のレッスンが終了するまでの2時間をどうにかヌクヌクと過ごせるようになった。広々とした乗馬スクールの駐車場で英国の自然の中、凛々しくも人間と息を合わせ駆け巡る馬たちを眺め、本を読んだり、考えにふけったり、ウトウトしてみたり、なんとも素敵な時を過ごしている。外側から私を眺める人たちは、寒い中、エンジンもつけずに我満強いお母さん!と思っているかもしれない!湯たんぽがこれほどに使えるものだとは思いませんでした。英国の湯たんぽは日本の両親にもお土産に持って帰らねば!汗が出てくるほど私を温めてくれる湯たんぽに感謝!そろそろ娘がレッスンから、馬臭くなって帰ってきます。

2005年2月5日

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制服

私が学生だった頃の制服は、第一礼装を必要とする私的な場面でも学生は制服を着ている日本であったような気がします。今でもそうなのかもしれない?また、学校の運動着は長袖、長ズボンのジャージ上下と半そでのシャツとブルマ(女の子)または短パンであった。おびっくりなことに、地域によってはこの運動着は通学用にも使用されていたと思う。日本の学校で揃える洋服は大別して制服と運動着の2種類。
しかし、英国のパブリックスクールに入学する時に揃えなければならない服が多いことに誰もが驚いてしまいます。制服に夏用と冬用があるのは日本も同じですが、スポーツ関係の着る物、その他、何とも種類が多い。まず、運動着の違いは学校での授業割が日本とは違うところから来ているのではないかと思われます。体育としてひとからげにしてしまう日本は、この体育の授業の中で行うものは全て、一種類の運動着で行ってしまう。しかし、英国はスポーツも各学期ごとに内容が違い、そのスポーツによって着るものも違ってくる。先生もそれぞれのスポーツ専門の先生が授業を行う。エキストラで乗馬を取っていれば、乗馬に使用する一式が必要になりますし、ラクロスの対校試合などのメンバーになっている子はそこでも他者とは違ったウエアが用意されたりもする。
運動関係ばかりではない、聖歌隊のメンバーは聖歌隊のメンバーだけが着用できるネクタイがある。このネクタイは普段の学校生活でも着用できますが、聖歌隊のメンバーになるためにはオーディションで好成績を収めなければならない。このネクタイは、歌とサイトシンギングにおいて力を持っていることを形として表してくれるものでもあります。
スポーツで活躍した生徒にはテープが与えられ、運動用のスカートに縫い付ける。殆どの生徒のスカートには何も付いていないけれど、スポーツが得意な生徒のスカートには何本ものテープが縫い付けてある。
男子校のハウスプリフェクト(寮長)には、縦縞の入った背広を着ることが許されますが、この縦縞の中には全人格が先生そして同じハウスの生徒達から認められた標が入っていることになります。
自分が所属するところの数だけ、ユニフォームや小物があると言っても過言ではない英国パブリックスクールです。どのユニーフォームや小物にも心の中で感じる誇りが含まれているんです。
聖歌隊のメンバーになるにも、スポーツの選手になるにも、ハウスなどのプリフェクトになるにも、オーディションを受けたり、投票によるものだったり、選ばれた人で無い限り着れないものでもあるんです。
さしずめ、日本でなら、不平等だのと声が上がりそうですが、このことが子ども達の前向きな心を駆り立てるものになっていることを忘れてはならないと思います。制服に誇りを感じるのではなく、それを着ることが出来る自分の力に誇りを感じるんです。
その誇り高きユニフォームも何処で着ても良い訳ではありません。制服であればこそ、そのTPOがはっきりとしてきます。娘の学校は今週の一週間は私服で登校です。これだけの種類の制服、ユニフォームがある学校で、なぜ私服なのか?
今週はプロジェクトウイークです。
同じ学年の中で、大きなテーマが与えられますが、各ハウスによって更にプロジェクトの具体的なテーマは違ってきます。それぞれのグループはそのプロジェクト内容によって校外に調査に出かけたりもします。そんな時は、校外で活動するために着用する服として私服が選ばれる訳です。制服は学校で着るもの!の考えを逸脱してしまうからでしょう。校外で、他者から見ても特別な意識がないところで、子どもたちが活動できる服として私服が選ばれたのだと思います。
プロジェクトウイークにはキャンプへの参加もあります。
キャンプにはキャンプに適した私服を着用するなど、目的と所属によって、実に見事に洋服を適用させています。キャンプも本格的となりますので、寝袋やスリーピングマットなど個人が揃えなければなりません。キャンプでのアクティビティーはマウンテンバイク、カヌー、ウオーキング、ロッククライミング、セイリング、ウインドサーフィング、カヤック、、各所にはその専門分野の方がお世話してくださる。これらのアクティビティーの中から子どもたちが好みで選び、選んだ内容によって洋服を準備します。
着る物は温かさや寒さ凌ぎ、安全のためだけでなく、心への作用も大きなものです。それも、自分の心だけでなく、相手に対する心も含めてです。勿論、自分の心の中では、これからやろうとしている内容に対して、適した服装になることから心の準備も出来ることでしょう。気高く誇りとなる制服でもあります。

教育水準の高さは、テストで良い成績を取ることではないと思うんです。
子どもたちの人格形成にどれだけ良い影響を与えられるかだと思います。
英国のパブリックスクールは、教養のシャワーを子どもの心に響く形で、浴びせてくれる手法をよく心得た教育方法を取っていると思います。
とにかく、何をやっても楽しくて仕方ない!そんな様子が子どもたちから感じます。
子ども達の心から逆算した教育方法を選んでいるからではないでしょうか。
自分の力により着用できる洋服があり、そこからも子ども達の心を前向きにしていることがよく分かります。その学校の生徒全員が着ている制服もその学校に入れた力の現われでもあります。全員が着ている制服以外は不平等と切り捨てるか(日本)、子ども達の心に誇りを与えるべく役立てるか(英国パブリックスクール)は、方法論と最終的な目的が何処にあるかの価値観の問題だと思います。

2004年07月03日

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英国の試験の様子

昨日Japanese As試験があったはずの娘がテストのお土産だよとキットカットのチョコレートを持ち帰った。3時間の時間を要するこの試験で、各人の机の上に1個づつ配られていたものです。
時間より早めに終了したので持ち帰ったようなのですが、緊張はびこる試験時におやつの提供があったのは今回ばかりではない。
現在の学校のコモンエントランス(入学試験)時には、英国的ケーキではなく、フランス的おしゃれなケーキ(確かフルーツパイ)とドリンク(レモンスカッシュ)が提供された。「とっても美味しいわよ。どうぞ!私もいただこう!」と先生も試験最中に食べ始めた。飲み物は何がいいのか聞かれ、冷たいものを希望したらしい。状況的に食べることがどうも自然の成り行きだったようで、右手にペン、左手にケーキで、美味しいケーキを食べながらのコモンエントランスだったらしいのです。リラックスを通り越した試験でした。
日本では考えられない様子だと思いましたので、ここに書いてみました。
今やっていることの本質さえ見逃さなければ、形ばかりを作る必要はない。そんな国なんでしょうかね。それとも、試験の緊張をほぐしてくれる配慮からなんでしょうか?

2004年05月27日

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◆英国の学校のスポーツから見えるもの

英国はスポーツが盛んな国である。ホッケー、ラクロス、サッカー、テニス、バトミントン、スカッシュ、バレエ、ジャズダンス、ネットボール、スイミング、バスケットボール、ダンシング、トランポリン、HRE、乗馬、、、、学校生活でも、これらの中から自分が好きなスポーツが選べる。授業のカリキュラムの中でも各スポーツ専門の先生がいらっしゃる。
しかし、ご近所のお食事会でスポーツのことが話題となり、英国の学校はスポーツが少ない。子ども達の体がなまってしまう!と言う内容だ!私の知る英国の学校とは話が噛み合わない。よくよくお聞きしてやっと判明。スポーツがあまりにも少ないと言うのは公立学校の現状らしい。スポーツひとつとっても、英国の公立とインデペンデントスクールはここまで違いがある。貧富の差どころか、教育内容の差がありすぎる。
私が上記で公立とインデペンデントスクールと書いたのには訳がある。
本来なら公立と私立と書くところだったかもしれない。しかし、英国の私立はインデペンデントスクール(独立学校)であり、公的な援助を受けていない。日本は公立はもとより、私立であっても、政府から補助金が出され、文部科学省の管轄にある。日本は世界的に見ても珍しい私立であり、独自性が小さい。日本には本来の私立が無きに等しい。こんなところでも、国民性が出ているなーと思う。
日本の国民皆中産階級。英国の大きな階級差。
勿論、この違いは経済の違いでもある。子ども時代の教育から将来の路線が決められてしまうことが多いといっても過言ではない。留学生の母として、インデペンデントスクールの世界しか知らなかったけれど、英国全体の現状を知るにつれ、矛盾も大きくなっている。日本は誰とも仲良くなれる、しかし、英国は同じ国民であっても、住む世界が違うと表現できるのではないだろうか。

2004年05月26日

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◆現実社会の経済に直結している図工の授業

私が日本の学校で図工の時間に製作したものは、その作品に対し、良く出来たかどうか?だけがが教育の基本にあったように思います。しかし、私の小学校、中学校時代はあまりにも遠い昔のこと、現在の日本の図工の時間の取り組みには、他の要素も加わっているのかもしれないですね?
そこで、娘の英国の学校のデザインテクノロジー、木工作品について、紹介いたします。この作品は、ただ製作するだけではありません。一つのプロジェクトになっています。
たとえば、、、、、、この作品を商売として販売するにあたり、どんな要素が必要になるか!といった内容が盛り込まれています。
この商品を販売しようとする会社では、この作品に対して、どんなことを望んでいるか?時間、コスト、スタイル、安全、etc。自分で考えた多くのデザイン画の中から、これら会社が望むものにどのデザインが一番マッチしているか?自分が選んだデザインに対し、拡大されたデザイン画と文章により選んだデザインをアピールする。作業工程は絵と文字で詳しく書き記され、使用する木材の説明も必要となる。
コストの割り出し方も実践的で仕事に直結しそうである。木の種類は4種類、それぞれに材料となるこれらの木材の価格も違う。材料の価格+時間給£5×作業時間4時間=自分へのコストが出る。
この商品を売るためにはお店のコストもかかります。店のコストを25%とし、消費税の17.5%も加えるとこの商品価格が算出されます。
作品を作るだけでなく、その作品を現実の世の中に出した時に、何が要求されるのかまでがお勉強の範囲に入ってきます。子ども達の学習が現実社会の経済に直結できるよう考えられていることに、私は感動してしまいました。
娘のプロジェクトが学校から帰ってきましたら、HPにUPしてみたいと思います。
「Wood Work Candle Holder」プロジェクトをUPしました。2004年05月21日

2003年11月28日

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◆言葉ーSwear word (不敬なことば, ののしり)

数年前にこの悪い言葉のことをこのWebページに書いたことがありました。
(2000年12月10日シュガーのお話し)下記に添付しました。
ここ英国では、日本語ほどに汚い言葉がないと書いたような気がします。
それは、英国を知らない者の言葉であり、私たちが言葉において、きれいな言葉を使う環境(UKインデペンデントスクールでの生活)に居たからに他なりません。クラレンドンスクール(チャーターハウス、イートン,ハーロウ、マーチャント・テイラーズ、セント・ポールズ、シュルーズベリー、ウエストミンスター、ウィンチェスター、ラグビー)の9校にならったインデペンデントスクール(パブリックスクール)の世界しか知らなかった私たちでした。英国に住むようになって3年目にして、お部屋にTVがある生活になり、TVから流れてくる言葉がブッブーという発信音で消されていることがあります。これは日本でも同じですがTVでは流してはいけない汚い言葉はこの発信音で消されています。

人の判断材料として、同じ英語でも話し言葉は重要な役割を示します。
私たちの経験からもこのことに気づかされることがありました。
引越しをするにあたり、引越し前に家主のご主人と娘が電話で話す機会があったんです。
「こんなきれいな英語を話すお嬢さんが家のような家で本当にいいんでしょうか?」と私たちをこの家主に紹介してくださった方にお話しなさったようです。
こんな私たちでも、話す言葉によって、こんな評価をくださる英国なんだなと、感心してしまいました。

また、この国はタトゥー(刺青)をおしゃれ感覚で入れている人がとても多い国です。
日本は銭湯や温泉でも「刺青お断り」の文字を見かけることがありますが、英国に日本と同じような銭湯や温泉があったとしたら、この張り紙は受け付けられないだろうな、一般人で刺青のおしゃれをしている人たちからの反発があるに違いないと思うほどに、刺青のおしゃれさんは多い国です。
しかし、アッパークラスの人に刺青のおしゃれを見たことがない。自分の身分を自然に受け入れ、その世界で楽しんでしまう英国人であり、国民皆平等、みんなと同じが一番の考え方日本とは大きく違います。経済的ランクは言葉のランクでもあり、おしゃれ表現もこれらがバックヤードにあるんですね。

ただ、経済、言葉、身なり、は現物的人格判断ですが、誰もが見えない、見えにくい心での人格判断をしたとしたら、誰がどう見ても美しいとは言えない浮浪者であったり、カラフル刺青の暴言おじさんだったりするかもしれませんね。
2003年10月19日

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2000年12月10日
シュガーのお話し
「ねェねェ!イギリスって日本みたいに汚い言葉がないのかなァ。」
日本には「くそ!」「バカ!」「てめぇ!」・・・・とか普段の生活の中で沢山聞くような気がするけどイギリスはそれがないんだよ。
「死ね」と「ばか」と「・・」は手でこうやるけど言葉はないんだ!!
すっごくいやなことがあったときに「シェット!」っていうけどそれを誤魔化して「シュガー」って言うんだって
どんなことがあっても普段の言葉にいやな意味の言葉がないから平和的なんたよ。
その方がいいよね。

 

学校と企業

学校と言えどもインデペンデントスクールである以上、企業としての学校であり、その経営手腕は各学校によって様々です。娘の9月からの新しいインデペンデントスクールでは、校内に企業のポスターが貼ってあり、ランチのデザートのりんご一個一個には企業のマークがシールで貼り付いています。
これら、生徒への広告効果はこれかにですが、学校側はこの広告によって、収入となり、また、それらの企業から寄付をもらうことになります。娘にとっては目新しいことでしたが、慣れっ子になっている生徒は、「気にしなくていいの!学校が豊かになるんだから!」だそうで、世の中の経済の仕組みを冷静に受け止めているんだなーと感心してしまいました。また、各分野の生徒の作品は企業が買い取ってくれることもあり、学校のスポンサーとしての企業に生徒も大いに参加しています。
企業が買い取ってくれる額も素晴らしいものがあるようで、勿論、その賞金は作品を作った生徒自身が獲得できるものです。
インデペンデントスクールの授業料は近年、10%前後で上昇しています。元々高額な授業料なので、この10%は大きな額になります。今年9月からのインデペンデントスクールは、前のインデペンデントスクールに比べ、学校のシステムや設備においてかなり充実しています。しかしながら、授業料は今の学校の方が幾分お安いのは、学校が企業をスポンサーとして上手く取り入れているからなのかな?と思った次第です。
2003年10月14日

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サッチャー政権下の教育改革

現在のイギリスの教育システムは1988年にサッチャー政権下における、教育改革が基となっています。誰でもが参加できる自由競争において、市場原理を教育にも取り入れたものだと言われています。全国統一試験、GCSEやAレベルは国民全体のレベルアップを図るための指標として設けられたものです。国民の誰でもが頑張ればアッパークラスの地位や暮らしができるチャンスがある、逆を返せばサッチャー政権以前のUKは貧富の差は今以上に大きく、経済もどん底でした。国を成す国民のレベルアップから経済状況の好転を図ろうとしたのです。
教育改革が行われる前年の保守党大会でのサッチャー女史の有名な言葉があります。「自分自身を明確な国語で表現できなければならない子供たちが政治スローガンを教えられている。伝統的な道徳価値を尊重できなければならない子供たちが自分たちは浮気(援助交際)をする権利があると教えられている。」この言葉は今の日本にも当てはまる言葉ではないでしょうか。ブランド品を身に着ける若者の裏側には援助交際という行為が隠れているかもしれない。自分を汚してまで、何故物欲に走るのか?自分とはを語れたら、その理由も見つけることが出来たのではないか?
この教育改革はサッチャー氏が母であったから出来た改革と思ってしまいます。
イギリスの教育は全国統一試験などから、自分が得意とする分野を将来の職業に結び付けて行ける教育方法が取られています。また、授業は日本のように暗記力中心の授業ではなく、学んだことから自分の考えを導き出し、それを文章にして行く教育です。

この教育改革後、インデペンデントスクール生にとっては厳しい状況が続いています。公立校からの大学進学の生徒に対して、大学側に国からの補助があったりで、以前と比べ、インデペンデント生には不利な状況が発生しています。これらの対策として、大学入学前の1年間だけインデペンデントから公立校に転校させる英国人も出てきてます。
政策の上において、末端の我々は右往左往させられているなと思わずに居られません。
国民一人一人のレベルアップは学業だけでなく、心のレベルアップも必要であり、この心面の作用も含め、国ベースの改革が必要なんでしょうね。
目先の改革ではなく、人間の心理状況を具体的に想定した教育改革を行って欲しいなーーーと思ってしまいます。
2003年10月13日

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◆親が選べる教育の自由

1988年のサッチャー政権における教育改革以前から、親が選べる教育の自由がある英国。日本やフランスの公立校は宗教教育を行っていませんが、イギリスはインデペンデントスクールだけでなく、公立校でも宗教教育、礼拝が行われてます。親がこの宗教教育や礼拝への出席を希望しない場合は、生徒は出席免除となります。
また、娘の学校の土曜日の授業はアクティビティと催し物の練習、テーマ研究などがあり、アカデミック的な授業はありません。生徒の中に、土曜日だけ登校しない生徒が居ます。その時間、その生徒は自宅の庭で乗馬のレッスンをすることになっているようです。
親が一定の内容の教育について、拒否権や欠席権を行使できる英国の教育は親が我が子の教育方針を忠実にアレンジできることにもなります。まさしく、親が選べる教育なんです。
親が選んだ教育方針により、他の生徒とは違う行動となる生徒に対して、周りの友達の反応はと言いますと、その生徒を通してその生徒の親の教育方針を認めています。お友達によって礼拝の時に居ない子、土曜日に居ない子があったとしても、お友達関係に何の支障もありません。我が家でもお友達の特徴ある親の教育方針について話し合うことがあります。何処にでもあるように、そこから良い点、悪い点が見つかり、見習うべきところもたくさん出てきます。自分の親とは違う教育方針を持った親に接することによって、子どもが身近なところで同じ事柄に対し、多くの見方があることが学べたことでしょう。
2003年10月11日

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自己管理能力

インデペンデントスクールでは子どもが所属するグループがいくつかあります。
まず、デイ(通い)の学生もボーディング(全寮制)の学生も、自分が所属するハウスがあります。
ホームルームクラス、授業は
各教科レベル別のクラス分けが殆どです。
その他に各人が所属する選択科目のクラス(フランス語、スペイン語、ラテン語、ギリシャ神話、ドイツ語、etc)があり、スポーツもレベル別です。
希望レッスンのバイオリンなどは個人レッスンですし、
クラブ(聖歌、乗馬、スクワッシュ、アート、ドラマ、ミュージックテクノロジー、ジャズバンド、スイミング、ホッケー、ストリートダンス、テニス、バレー、エアロビックス、空手、トランポリン、バスケットボール、クロスカントリー、柔道、フェンシング、キックボクシング、フットボールetc)も各人がそれぞれです。
娘の学年には120名の生徒がおりますが、常に行動を共に出来る生徒は一人もおりません。
レッスンを行う建物は半径500m周辺にメインスクールを中心とし、一般道を含む住宅地の中に点在しています。それらの建物への往来も15歳までは生徒の一人歩きが禁止されています。
レッスンが終わるごとに、次なるレッスンの建物へ一緒に行くお友達をだれかれと無く見つけ、目的地に行かなければなりません。お友達を選んでいるような余裕はありません。
そこで、自分の行き先が自分自身で分かってないと、学校内で若しくはその周辺で迷い子となってしまいます。ニューガール(新入生)にとって、広い校内、周辺建物と自分が行くクラスの場所を覚えるのは真剣です。娘の学校ではメインスクールの中庭にある大木の下の広場は次なる授業への待ち合わせの場所となっています。

また、メインスクール、ハウス、スポーツホールは一般道を含む、遠距離にあり、自分が所属するハウスからその日のレッスンに必要なものを計画的に持って、出かけなければなりません。お友達と同じ事をしていても、各人、その日の予定が違いますので、自分のことは自分で管理が必要となります。

宿題の量も多く、1日に2〜3時間の宿題をこなすに当たっては、プライベート時間の入浴時間、夕食時間、好きな読書の時間、くつろぎ時間、これらを自分で計画立て、こなさなければ処理しきれません。言われなくても、必然的に子どもの机の上には生活時間表が出来ていました。ただ、お勉強が出来るだけでは、インデペンデントの生活はこなして行けません。そして、誰とも仲良くしておくことも、これらの生活体系から大切となってくるでしょう。

しかし、個人的に仲良くなるお友達は、食事時間が同じとなるハウスのお友達が多いようです。
ハウスにはハウスカラーがあり、制服の中でも、ネクタイ、マフラー、はハウスカラーが使われ、校内での催し物もハウス対抗が多く、11歳から16歳(17歳)までの縦割りとなります。メインの学校の歴史だけでなく、ハウスの歴史もあります。ハリーポッターのハウスはグリフィンドーでしたね。娘のハウスは学校の創立者の名前が付けられています。

各学期末、または年度末で各教科のレベル別のクラスの移動があります。
自分自身の勉強は自分自身で計画、管理し、積み上げてゆかなければなりません。

年間に数回は他校の男子生徒とのダンスパーティーがあり、参加は自由です。
13歳の年齢で、夕方7:30から夜10:00まで行われるこのパーティーの服装は自由、化粧も自由です。
子ども自身の自己管理能力が問われるところでもあります。

日本的に考えますと、外見からお勉強が出来る子、出来そうに無い子、が判断できてしまいそうですが、UKは全くに判断がつきません。
どんな秀才でも、髪の毛はカラフルに染められ、奇抜な洋服に麻薬ということもよくあります。
しかし、お勉強面、学校生活、私生活と自分の生活に責任を持ち、自己管理が出来ており、服装のTPOもわきまえてのこれらの表現は個性として受け止めてあげるべきなんでしょうね!
2003年10月10日

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宿題

今回は「宿題」に関してです。
家に帰ってからぶらぶらしている娘に「早く宿題終わらせてTVでも見たらどう。どうせやらなくちゃいけ  ないもんなんだから!」
娘:「私の生活はPlan for normal Dayが管理してるから大丈夫!」
  どうやら、自分で作った生活時間表ができてるらしい。
それでも諦めず私は「分からない問題があったら時間オーバーで寝不足になっちゃうじゃない。大きく  なれないよ!(体の成長のこと)」
娘:「そうなったらSOSだよ。」「この学校のレベルと私のレベルが合わないんだ!インデペンデント2回  目の転校!1教科30分だよ!」
母としては、もーまったくーーー!!となってしまったのですが、ここで娘の妥当性を確認した、スタッフとのやり取りをご覧下さい。

やれといわれた宿題を何時間かかってでもやれば誉められるのが日本ですが、こちらでは少し違います。先生はある一定の時間内でやるべき量の宿題、として出してくるので、それを想定時間の2倍も3倍もかかるようでは、上手くいっているとは言えないのです。
そうであればその単元がマスターできていないとか、何か問題があると考えて、チェックし直す必要があります。このあたり、日本の感覚と幾分違いますね。

宿題も30分真剣勝負一本。それを大幅に上回るようではそのクラス(一般に能力別編成です)や
学校が本人に合ってない、ということ。
でもこれって、個人のど根性ベースの頑張りってものをハナから想定してない社会っていうことよね。
日本ってそれのみで世界に伍してきたって感じだけど。
スポーツも芸術もしかり。イギリスでは天才みたいな人しか金メダルをとらない。
各種国際コンクールの優勝も多くない。
時々新聞に「どうしてイギリスは金メダルが少ないのか?」とか
「音楽コンクールに優勝できないのか?」とかいう記事が出て、いろいろ理由づけがされているけれど、私はさもありなん、と思います。
そして栄冠を勝ち得た人が必ず口にするのが「私はこればっかりやってるわけじゃない。空き時間にはあれもこれもしまーす。」
この道一筋は尊敬されないどころか「変人」扱いです。
2003年10月09日

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◆何故にて引越し!

インデペンデントスクールの多くは、希望の学校に登録をするのではなく、学校のハウス(全寮制の寮)に登録することが多いです。特に男子校はそのような傾向があります。ハウス自体に歴史があり、父親と同じハウスを希望する者、ハウスマスターに人気がありそのハウスに登録する者、それぞれ選ぶ理由を持っています。人気のハウスはあまりにも多くのウエイティング者がある場合、登録さえ受け付けていただけないこともよくあります。学校を選ぶだけでなく、子どもたちの日常の生活を過ごすことになるハウスもなるべく早くに登録する必要がありますね。そこで、我が家では急遽の学校変更と決定であったために、希望のハウスには入れませんでした。他のハウスの場所は戴いたのですが同じ学校でもハウスの違いは著しく、それならと通いの学生として学校生活をスタートさせました。建物が違うだけでなく、食事内容もハウスによって違いますし、ハウスごとのお決まりもあります。寮長であるハウスミストレス(女性)、ハウスマスター(男性)の個性や考え方もハウスに大きく反映されます。一旦ハウスが決まってしまうといかなる理由があっても、めったにハウスを変えていただくことはできません。
海外から留学してくる学生はこのような事情を知らない方も多く、ハウスに納得ゆかない!などの不満の声を聞くこともあります。できれば学校見学と共にハウスの見学申し込みをさせていただくのも良いかと思います。
2003年9月24日

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