UK国営医療制度 NHS (National Health Service)

日本には国民健康保険があり、近年は海外でも適用できるようになりましたが、1年以上UKに滞在するならUK国民医療制度NHSに登録することをお勧めします。1年以内の滞在ならば留学保険や海外旅行保険に加入しておいた方が良いと思います。また、近年日本の国民健康も海外で適用になりましたので、申請用紙等を準備しておくと良いでしょう。
ここでは、日本とはまったく違うUKの医療システムをここに紹介します。

NHSとは1948年からUKで実施されている医療費原則無料の国営医療保険制度です。
16歳から年金受給年齢(女60歳・男65歳)まで強制加入、所得に応じて保険料を払う。当初は旅行者まで無料でサービスを受けられましたが、現在はUKに1年以上滞在予定の人が対象になります。

G.P.(General Practitioner)・・・一般開業医
NHS下で,は一般開業医への登録が義務づけられていて,病気になるとまずこの医師(ホームドクター)の診察を受け,それから専門医に回される。

D.S.S (Department of Social Security)・・・社会福祉事務所
NHSはDSSが管理している。

GPへの登録の仕方

@医師の評判をご近所で聞く。または、図書館などでGPリストを手に入れる。
家の場合は図書館で町の歯医者さんとGPリストを見つけてもらい、場所と評判を聞くことができました。
ご親切にコピーも撮って下さいました。

A複数のドクターで一つの診療所を開設しています。診療所を選ぶのではなくて一人の医師をGPとして選びます。家は娘の学校の校医と同じ先生に決めました。

B病院に予約をとる。

C診療所に予約日に行き、登録希望のGPの問診を受けます。
ナースによる問診や血圧を測っただけで医師の診察はありませんでした。
問診では既往症や予防接種について聞かれます。これらの資料は前もって準備しておいた方がよいでしょう。
子どもの出生時の記録や予防接種についてはまとめたものを持って行きました。大人の予防接種歴となると
資料がなく困ってしまいました。
※国によってはパスポートに予防接種記入欄があるようです。我が家でもパスポート用予防接種リストフォームを作りましたので、よろしかったらどうぞ。

D後日DSSより縦16.5cm横12.5cmのNHS medical card が郵送されて来ます。
NHS medical cardにはNHS number(10桁)とGP名などが記されています。
このカードは引越しなどでGPを換える時に新しく登録するGPに提出しますので、大切に保管しましょう。

基本システム

・具合が悪いときにはまず登録しているGPに診てもらい、GPの紹介で専門医に行くことになります。
・GPを通さず、専門医の診察を受ける場合はプライベート診療となり、全額自己負担となる。

待ち時間が長いと言うけれど

NHS適用のGPで診察する場合、予約待ちが長くすぐに診察できない難点があると言われますが、娘が風邪で診察予約を電話でお願いしましたら、その日の内に診察でき、大変スムーズな診療を受けることができました。
ここは田舎だからなのか、たまたま運が良かったのか?とも思いますが、・・・・

イギリスの新聞には医師になるなら、人間を診る医師の人気よりも、動物を診る獣医の方が人気がでてきているようです。医師はストレスや仕事の大変さに比べ感謝されなくなった職業だそうです。
日本の国民健康保険とてしかりですが、国営医療制度の中で医療費の増大など問題も多く、患者からの不満の声も多いいのでしょう。

GPに対する苦情申し立ては
Community Health Council フリーダイアル 0800-665-544

緊急時の対応

数名のGPで開業している診療所では登録しているGPがいない場合たの医師が診てくれるようです。
また、土曜の午後や日曜日、夜はEmergency ドクターに電話をしましょう。ちなみにSherborneは01202-896333     Infoは0145-4647です。
もしくは、救急車を呼びましょう。999「Ambulance please!」救急医療はNHSのサービスになります。

NHSで診察できる診療科目

一般外来・眼科・皮膚科・婦人科・耳鼻咽喉科・歯科などの基本的な治療
子宮ガン検診なども定期的に行われます。無料。

経験から

風邪でGPに診察
予約した時間に登録GPの診療所で診察を受け、そこで風邪薬の処方箋をもらう。
指定された町の薬局に行き、処方してもらう。
子どものシロップ状の風邪薬でしたが、容器代として60p支払ったのみです。
大人は1種類の処方につき£6かかりますが、薬代は無料だそうです。


歯科医院に歯の検査と矯正の相談

予約時に
NHS medical card を持って行き、NHS number(10桁)を伝えます。
歯の定期診察では歯の検診と歯磨きの指導をしてくれました。日本と大きな違いはありませんが、歯磨き指導で「歯磨き後お口を良くすすいでしまわないように!」との指導でした。聞き直してしまいましたが、歯磨き粉の成分をお口に残しておくのが虫歯予防になるそうです。
余談ですが、UKは食事テーブルのお掃除もスプレーの洗剤をテーブルにかけ、乾いた雑巾で拭くだけ。洗剤成分を残すんですね。???
矯正の必要があるかどうかの相談では・・・まあ必要ない範囲でしょう。とはおっしゃいましたが、矯正専門医の診察希望をお願いしました。歯科の先生から矯正の専門医に書類を出し、患者は矯正専門医から連絡があるのを待ちます。
で、矯正歯科からご案内のレターが来ました。お願いしてから矯正歯科で診て貰えるのは約3ヵ月後。
隣町の矯正歯科に行って来ました。
矯正歯科では大きなパントモの全顎の写真を前からのものと、横からのものと、医師の診察からアドバイスしてくれます。
娘の場合は、上下で4本の歯(5番)を抜き、Traintrack(歯にシルバーの針金のようなものをつけるやり方です。)での矯正が良いとのアドバイスでした。期間は1年半くらい、治療費はまず最初に£300、次から治療に行く度に£100の支払い、合計£1400になったところで、治療は続けられていても支払う必要がありません。
歯を抜くのは、最初に行ったNHSの歯科医院に矯正歯科の方から連絡してくれて、歯科医院から連絡があったところで、抜歯の予約をしました。
今のままでも!娘の場合、矯正はどうしても必要とする治療内容ではありませんからこのようなアドバイスも必ず付きます。おおよその矯正治療代をお聞きしたところ、日本とは比べ物にならないくらい安かった。しかし、歯科医の先生は高いから!!と懸念顔、でも診察料はかかりませんでした。
抜歯も済ませ、いよいよ矯正の治療が始まろうとした時期に娘の学校が変わることになり、矯正の治療を新しい学校に行ってから、新しい学校の近くの矯正歯科医院にお願いすることにしました。一旦収めた£300も返金してくれました。
学校を転校する前に新しい矯正歯科医院に予約を入れました。自費での矯正にするのか、NHSの矯正にするのか聞かれ、???となってしまった私たちです。合計£1400はNHS適用の矯正治療だと思っていたからです。しかし、この金額を支払うということは自費での治療であり、NHS適用よりも多少早くに治療がはじめられるらしい。しかし、この金額を支払っても、支払わないNHS適用矯正でも治療内容は全くに同じだと言う。新しい学校に転校するまで数ヶ月あった娘はHNS適用の歯科治療で十分であったことからNHSの歯科治療を選び、2004年10月からブレスを装着し、一切お金のかからない矯正治療が始まっています。


大人=歯医者さんはNHS診療とプライベート診療を兼ね備えており、大人は£4くらいかかる。しかし、NHSの適用範囲は以外に少なく、治療の20%くらいしかカバーできない。そのため、患者が自由に医師を選ぶことができる。
NHSで診療希望の場合は
NHS number(10桁)を予約時に伝えます。

英国の歯科の専門分野は7つ
Children's=小児歯科
Gums(Periodontics)=歯周病治療
Extractions(Oral surgery)=口腔外科、抜歯
Tooth straightening(Orthodontics)=歯科矯正
Root Canal Treatment(Endodontics)=歯根治療
Inplants(Prosthodontics)=インプラント、歯牙移植
Crown & Bridge=インレー、クラウン、ブリッジ、入れ歯


目・・・検眼、めがね(子ども) 関連記事が「知ってて良かったね情報」にあります。ご覧下さい。

日本では眼科の病院で検眼し、併設されているめがね店でめがねを作ってもらっていました。

近くに眼科医がなかたので、小さな街なのにメガネ屋さんが比較的多くあるものですから、検眼をお願いしに行きました。めがねの処方もNHSの適用となるらしく、子どもはレンズは無料、枠は素敵なのが全て£10、レンズだけ交換の場合は無料です。半年に1回の検眼を勧めててくれますが、そのつど、上記の条件でめがねを処方してもらうことができます。日本ではガラスのお安いレンズで1万円+枠1〜2万円くらいだったと思います。

コンタクトレンズを使っている子どもも多く、めがね店でコンタクトレンズ使用希望を伝えると、コンタクトレンズ専門の方がそのめがね店に来てくれます。もちろん予約。
そこでは、その人その人に合ったコンタクトレンズのテストが行われます。
コンタクトの成分はその人の目に合っているか等
子どもだからでしょうか、使い捨てのコンタクトレンズを勧められました。1日(1組)£1

メガネ店の方がおっしゃるには成長が安定する18歳くらいになってからレーザー治療で視力を回復する方もよくいらっしゃるようです。

私が子どもの目で悩んでいたところ・・「レーザー治療について眼科医のMy Friendからアドバイス」

大人=NHSの検眼£15


予防接種・・
内容が多くなってしまいましたので、別ページに作成 
クリック

NHS特別無料対象(2000年4月改正)・・・裏を返せば一般大人は有料となる一覧!

16歳以下、19歳未満のフルタイム学生
 
処方箋、19歳未満で開始した歯科治療・視力検査・メガネ・コンタクトレンズ費用(破損、紛失にも適用)

妊婦・出産1年以内
 
処方箋、妊娠中又は出産12ヶ月以内に開始した歯科治療

60歳以上
 
処方箋、視力検査

※私も娘を出産した時にインレーが取れてしまったり、歯の治療がなぜか多く必要になった経験をもっています。
上記の特別無料対象を見て、理にかなっているなァと思ってしまいました。

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